- アメリカの大学の単位はどうなってる?
- アメリカ人の社会人大学生・大学院生のスケジュール
- あるアメリカ現地の会社での体験-優遇されていたエンジニア
- ハードでもエネルギッシュなアメリカ人
- 実用的なカリキュラム
- いつでも学校に戻れるという楽観性
- アメリカ人は生活費も前もってプールしておく賢さ
- アメリカ人は柔軟な社会を創ってきた?
2023.5.16更新:米移住及び留学を考える方へためになる書籍を追加しました。
(注: 本ページにはプロモーションが含まれています)
最近、経済界において人材の流動化が語られているようですが、その辺りに思うところがあって、本日はアメリカの大学やアメリカでのスキルの更新について、その実態をルポ!
アメリカ人の勤労学生の様子などもご紹介します。
アメリカの大学の単位はどうなってる?
まず、私はアメリカに留学時、大学の協力を受けて労働許可証を出して貰い、パートタイムで仕事をしながら、学校にはフルタイムで通っていたんですね。
ちょっと聞くと、フルタイムで学校に通って勤労学生というと、 “苦学生感・満載”に聞こえるかもしれないのですが、アメリカでフルタイムの大学生というと、合計12ユニット(単位)を取れば良いので、意外にこなしていけるんですよね。
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大学の単位の詳細
分かりにくいと思いますので、内訳でいうと、単位の数え方は、1科目が3ユニット。
それを4科目取れば12ユニットとなり、フルタイムの学生ということになります。
ちなみに、留学生は通常、学生ビザ(F-1)では、フルタイムの学生であることが求められますので、1学期には最低でも12単位(4科目)取る必要があります。
講義は1講義、120分の2時間です。(もしかしたら、1時間ずつ、週に2回の科目もあったかもしれません。)
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アメリカ人の社会人大学生・大学院生のスケジュール
意外に大丈夫な時間割?
なので、アメリカ現地の人が毎日働いていて、例えば、仕事が18:00に毎日終わる人は、夕食用にちょっとしたサンドイッチなどを途中買い、その足で夕方の19:00から講義に出るということも可能です。
アメリカの会社では、残業がそれほどないから、これができるというのもあると思います。
よって、アメリカの社会人で、仕事が毎日規則正しく終わる人であれば、うまくいけば、4科目を1学期で終わることができますし、パートタイムで働いている人ですと、更にスケジュールにも余裕が出てきますよね。
通常、講義は1週間毎の時間割となっていて、フルタイムで大学に通う人は、週に4科目を勉強。
もちろん、留学生でなければ、2科目取るなどのパートタイムも可能で、余裕を持ったスケジュールにすることもできます。
毎日、予習・復習、宿題などでコツコツ勉強しながら、後はMid-term Exam(中期テスト)やFinal-Exam(期末テスト)のための試験勉強、プレゼンテーション(発表)や論文(term paper)等を仕上げていくだけ。
なので、既に働いている職場に慣れていて、毎日順調な生活を送っている人達にとっては、それほどまで過酷なスケジュールでもないと思います。
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期末テストの時期は例外
ただ、期末テストの時期(テスト期間の前~期間中)は、テスト勉強をしながら、膨大な量のリサーチをして論文をまとめたり、プレゼン資料を完成させる事が求められるので、あまり睡眠時間も取れないなどと、勤労学生にとっては体力的、精神的にも、ややキツい時期。
息抜きのための週末も、その時期は、ほとんど勉強やリサーチで机にかじりついている事が多くなり、かなり過密スケジュールになってしまいます。
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あるアメリカ現地の会社での体験-優遇されていたエンジニア
こういうふうに、アメリカでは、入学すると多忙な大学生活になるにしても、働きながら無理なく新しい事が学べる、レベルの高い教育機関があるのが、本当に頼もしい。
また、『アメリカって、社会的にも、人材に対してかなり柔軟なのでは』と思ったのが、ずいぶん前の話ではありますが、私が働いていた会社(日本で)で、アメリカ現地に当時関連会社もあって、そこに出張に行った時の話。
そこで、『素晴らしいな~』と思ったのが、大学に通って技術を学びたいアメリカ人社員には、会社が早く帰るのを許可するなど、優遇していたこと。
20代位の若い社員や子育てが終わった40代位のエンジニアも、同じように優遇してもらっていたようでした。
私が当時、勤めていた会社は、比較的日本の会社の中では柔軟な考え方を持った会社ではありますが、こういった会社組織も含めて、社会全体に新しいことを学んだり、スキルアップが可能な柔軟さがあるというのが、アメリカって良いところですよね。
ハードでもエネルギッシュなアメリカ人
繰り返すようですが、そのような大学生活は、ハードな勉強のために“死にかける”と、現地の学生の中ではオーバーに語られますが、それでも、働きながらきちんと卒業が可能なプログラムが組まれているわけであって、その点はやはり、お見事。
実際に、大学で学んでいるアメリカ人学生達も、自分の意思で働きながら学校に行っている人ばかりで、勉強はそんなに楽でないにしても、辛いことを辛抱して頑張っているというよりは、“興味のあること、情熱のあることに対して頑張っている印象”で、やればできるという明るさや、楽観性がみなぎっている感じなんですよね~。
試験期間は両目充血
でもまあ、試験期間中は、冒頭でお話した通り、睡眠時間もかなり削られるので、あのアメリカ人の大きな目が充血していると、かなり迫力があって、『現地のアメリカ人も一生懸命努力しているんだな。』と身につまされましたね(なので、移民ならそれ以上に頑張らないといけないということにも、なるんですけど・・・。)
実用的なカリキュラム
また、アメリカの大学・大学院って、こういった講義のスケジュールだけでなくって、入学のしくみも異なります。
日本の学校のように、入試を通らないと入学することができないシステムではないし、一部の難関校を除いてはそれほど入学が大変ではないです。(それでも、それぞれの大学のレベル・質は、高く保たれているそうですから、感動です。)
また、4年制大学の学費が高いということであれば、公立の短大(Community College)というのもあって、そこに入れば、市民だったら学費が、留学生の支払う約1/2~1/4の金額で通うことも可能です。
学校では、実際にそのフィールドで働いている講師や教授、または経験者が教えていたりして、かなり実用的な事を学びますし、特に技術的、実務的専攻では、その傾向が強いようで、実際にITを短大(コミュニティカレッジ)で学んだ知人は、卒業してすぐ、IT関係の職場で働き、業務をこなしていたようです。
また、教科書の中の解説も実用的で、背景や理論も、もちろん習いますが、“どう行う”という、実践的な事をより重要視してあったり・・・。一度、理論的説明はそこそこに、“ノウハウ”だけズバリ教えてある箇所を教科書で見つけたときは、アメリカ人の友人と一緒にちょっと笑ってしまった事もある程です。
アメリカのようにレイオフなどが珍しくない社会で、万が一、失業したりしても、学校に通えば、技術資格や短大卒、大学(大学院)卒の資格も取れる効率的なしくみというのが、社会のシステムに当たり前のように組み込まれているんですね。
いつでも学校に戻れるという楽観性
なので、こういった感じで、教育に対して、“いつでも実用的なことが学べて、活かすことができる”という手軽さがあるせいか、レイオフなどがよくある社会ではあっても、アメリカ人は凄く楽観的で、明るい感じを受けます。
日本のように、学歴がずっとその後、固定してしまい、履歴書には毎回、同じことを書かなければならない部分というのは、アメリカの教育を経験した人間にしてみれば、正直、ちょっと“閉塞感”のようなものを感じてしまいます。
話は固くなってしまいますが、今、経済界で謳われている“人材の流動化”も、経済を回していくのに、いづれは必要となるかもしれませんが、こういった教育システムや社会全体の改革などが行われる事なしには、路頭に迷ってしまう人が増えてしまう気がして恐ろしいです。
教育システムが柔軟であれば学歴にはこだわらない?
また、私のサンフランシスコでの知人は、大工さんとして独立し、自分の会社を持っている人達や、不動産の仕事をしている人など、経済的に豊かな人達も多かったのですが、こういった“手に職系”の仕事を持っている人達って、大卒でない人も多いんですよね。
以前、そのうちの一人の方と、大学に行くことについて話した際、「大学もいいけど、お金がかかるだろ~?」と、“お金を稼ぐことのほうがいい”的なノリだったのがすごく印象的で、大学に行かなかった事に対する“心残り”のようなものは、正直、みじんも感じられませんでした。
恐らく、このようにアメリカ社会って、大学は“行きたければいつでも行ける”というオプション的なものとなっているので、それがこの、アメリカ人の楽観性や明るさに繋がっているのでは、と推測したりもしています。
アメリカ人は生活費も前もってプールしておく賢さ
また、アメリカ人って、凄く関心するのが、一人一人が独立心が強く、レイオフや突然の解雇のような事態に備えるために、お給料の中から、生活費の約“6ヶ月間分(少なくとも3ヶ月分)”を余裕資金として残しておくというのが、常識または生活の知恵とされていることを、友人から聞いていましたね。
(今回のコロナでの緊急事態宣言は、合計で1年程続きましたがね。恐ろしい・・・。)
参考資料:
What's the right emergency fund amount for you? | Vanguard
また、そんなときの頼りになる制度として、会社に勤めている被雇用者(アメリカ市民とグリーンカード所持者のみ)については、“Unemployment Benefits(失業保険)“もあるようなのですが、にもかかわらず、この余裕資金を自分で用意するように心がけてるって、アメリカ人って相当しっかりしてるんですね。
参考資料:
アメリカ人は意外にしっかり者
そんなに何ヶ月も生活資金をプールできる余裕はどこから来るのか、という疑問も湧いてきますが、例えばですが、外食ばかりをしないとか、外食するときはドリンク(アメリカではお茶は無料ではありません)は頼まない人もいたり、むやみに人には奢らないなど、“つめるところはつめる”質実剛健な一面も、アメリカ人には確かにありますね。
アメリカ人は柔軟な社会を創ってきた?
でも、実は、アメリカ人の逞しさって、そんな表面的な事だけでは語れなくって、きちんとした柔軟な社会のしくみを、自分たちの手で創ってきているというのもありますからね。
最低賃金が高い(2022年から時給15ドルに引き上げ)ことや、以前の記事でもご紹介した、社会の根幹を支えている一部の仕事については労働組合で守られていて、安定した待遇で働く高給の人も少なくなかったり・・・。
引用元:
最低賃金1600円に引き上げ 大統領令で3割超―米:時事ドットコム
“同一労働同一賃金”で、同じ業務であれば、正社員もパートタイムの人も同等の賃金が貰えたり、就職の際に年齢は関係ないなど、そういった諸々の法律やしくみ的なところも、決して見逃してはいけないな~と切に思います。
アメリカ社会にも、依然として根強い問題もありますし、決して完璧ではないでしょうが、あの楽観的で、やる気みなぎるアメリカ人を見ていると、見習いたいところが多いな、と思ってしまいます。
では、本日は、ちまたの話題をきっかけに、努力するアメリカ人とその社会について考えてしまったので、つれづれなるままに語ってみました。
長々とご説明してしまいましたが、“百聞は一見にしかず”。
将来はそんなアメリカへの留学や移住を、是非成功させてくださいね。
Momokaよりお知らせ:
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