2023.05.16更新:下段におすすめの教材等を追加しました。
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列車の運転手さんは高所得者
さて、私が学生時代に留学で住んでいたサンフランシスコには、BARTというベイエリアを走る列車があったんですが、同じくサンフランシスコに住んでいた年上の友人が、豆知識を授けてくれた事があって・・・。
友人によると、このいつも利用していたBARTの運転手さんは、ナント、1,000万円クラスの年収を稼いでいる人なんだとか・・・。
BARTの運転手さんって、典型的な人で記憶にあるのは、黒人の“きりっ”とした頼もしそうな運転手さんなんですが、彼らの年収が1,000万円くらいだって、本当、想像外だったんですね~。
その水準の年収って、住居費が高いサンフランシスコにとっていえば、普通なんでしょうが、アメリカの全国レベルや日本でいうと、やはり高所得者層に入りますよね。
念の為、今調べてみても、やはり全てのBARTドライバーさんが年収1,000万円を稼いでいるわけではないけれど、高い方のドライバーはその位の人もいる。
実際の年収の範囲は、$22,828~$119,409(日本円では、2,510,421円~13,131,383円)、平均では$59,951(6,593,183円)のようです。(注:$1=110円で換算しています)。
引用元:ZipRecruiter公式サイト
https://www.ziprecruiter.com/Salaries/BART-Driver-Salary-in-San-Francisco,CA
高所得をはじき出す仕事の秘密とは
話は続きますが、その友人との会話の際、驚きのあまり、“え~っ”という顔をしている私に、友人は、
「ユニオン(組合)の仕事よ~。ユニオンが強いのよ~。」と。
なるほど、人々の命を守るドライバーさんの仕事は、組合に守られるのはあたりまえよね、と即座に納得・・・というか、自分を“納得させた”んです(笑)。
当時は、大学を卒業して働き始めたばっかりで、しかも、アメリカでの労働ビザの心配などで四苦八苦していた私には、この組合が強い職場の仕事って、羨ましくもあり、ちょっと興味が惹かれる話題。
で、その後も、この件については個人的に注視していくこととなったんです!
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ロサンゼルス・ロングビーチの港湾労働者(longshoreman)も1,000万円クラス?
また、その後、私は仕事の都合で、ロサンゼルスに引っ越すことになるのですが、そこで新しく知り合いになった人から聞いた話で、再度、この件を思い出すことになるのです。
その人によると、ロサンゼルスの港で働く人についても、その熟練者の中には1,000万円(年収)クラスを稼ぎだす人もいるというから、更に驚いた!
話によると、ロングビーチのその職場では、新しく入った人達は、ある“まとめ役”の人から、まずはスタッフ番号で招集され、それから仕事をこなすというような感じだそうで、少々環境の厳しさも推測され、オフィスでの仕事しか経験がない人にとっては、ちょっと慣れない仕事かも、という印象。
でも、その中から、将来1,000万円の年収を叩き出す人が出てくるわけですよね。
参考資料:
How longshoremen command $100K salaries in era of globalization and automation - Los Angeles Times
港湾労働者(longshoreman)仕事の内容
具体的には、港湾労働者(longshoreman)の職務は、
クレーンやフォークリフトなどの重機を使って、港に発着する荷物の積み下ろし、コンテナ移動、荷物の受け渡しなどを、文書化、保管、セキュリティ、職場の安全性などについての規制・規則に準拠して行い、また、コンテナの処理、検査、文書化に係る仕事も、出発地と到着地の港(各国の)によって複雑に異なるルールで行う
というような、仕事ということ。
What Is the Duty of a Longshoreman? | Work - Chron.com
まとめると、重機オペレーター、倉庫業務、船の乗組員、輸出入的な事務仕事を“全部”、総合的に行うような業務内容ですね。やっぱり、好待遇だけあって、かなり大変そう・・・。
更に調べてみると、この職業は、学歴は高卒以上であるか、それ相当の学力を持っていることが条件だそうです。学歴についてはハードルは高くないですね。
信じてもらえないこのミステリー
話は戻りますが、その湾岸労働者の話を聞いた翌日、私は誰かにこの話を聞いてほしくて、居ても立っても居られない感じで、当時の上司に即、この仕事について話したんですが、“全く信じてもらえなかった”という“落ち”もあり・・・。
まあ、その信じられない気持ちも分かるっていうものですが(冒頭のBARTの運転手さんの年収に対する私の反応と同じです!)・・・。
その湾岸の仕事について教えてくれた知人は、元々、ガス会社に勤めていて、要領の良さも持ち合わせながら、実務的な仕事が得意な様子の人。すでに前職で安定した良い収入を得ていたのですが、その仕事に飽き足らず、今、この湾岸労働者として頑張っているということでした。
そりゃ、仕事が自分に合っていて、将来、高い収入を得る可能性大の仕事だったら、言うことなしですよね。
お宝職業の鍵はコレだった
それにここでも忘れてはいけないのが、実はこの湾岸の仕事って、冒頭のBARTの運転手さんの仕事とも共通していることがあって、それが、“組合(ユニオン)が強い職場”ということ。
ロングビーチに住んでいる別の知人の話によると、この港の仕事というものは、国への物の出入りを管理するので、人々の暮らしに密接に関係しており、その従事者がいなくなったら立ち行かなくなるというのがあって、組合(ユニオン)からしっかり守られているんだとか・・・。
なるほど~、この一見、そうとは分かりにくい高所得のお仕事って、ユニオン(組合)が“鍵”なんですね。
言わば、競争の激しいアメリカの労働者にとって、“お宝”案件ではないですか・・・(失礼!)
社会の基盤を作る労働者は、組合員(ユニオンワーカー)として守られている?
そんな感じで、アメリカでこのように組合(ユニオン)活動が一番盛んな部門というのがあって、それは公共部門だそうで、その組合加入率は33.9%(民間部門の加入率は6.4%で、その約5倍となる)であるなど、やはり主に社会の基盤を支えている所なんですね。
ちなみに、更に調べたところ、組合活動が盛んな(組合加入率1割~3割の)産業・部門は、次の通りだそうです。
- 公共部門(教師、警察署員、消防職員他)
- 公共事業(電気、ガス、水道他)
- 交通事業(パイロット、鉄道車掌他)
- テレコミュニケーション事業(技術者、技師、カスタマーサービス他)
- 教育(教師他)
- 建設・建築業(大工、電気技師他)
- 映画・音楽(俳優、技術者、プロデューサー、監督他)
- 製造(組み立て、製造、検査他)
注:上記の産業のすべての職種が組合員ではなく、多くの産業では、雇用主や職業、団体協約などにより、組合員と非組合員が混在している。
“映画・音楽”の部門以外は、やはり、組合活動が盛んなところって、国の根幹部分を支ええている職場のようですね。
また、今回参考にさせていただいた同じ資料でも、組合員の待遇については、次のように述べられていました。
米国労働省の報告によると、組合員は非組合員に比べて平均30%多く稼いでいること、組合員の94%が仕事に関連した健康保険に加入できるのに対し、非組合員は68%であること、組合員は年金が保証されている可能性が高いことなどが分かっています。
組合員って、凄く優遇されるんですね~。
アメリカ全体ではどうよ
まあ、アメリカでもこういった仕事って、働く人が入れ代わり立ち代りで、仕事の質が低下しても困るし、安定して働いて貰うと公共の易になるしで、組合で守られているということでしょう。
ちなみに、2021年の資料で見てみると、アメリカではこの組合員である労働者全体の平均年収も$41,295($1=110円で換算して4,542,969円)と安定の待遇のようでした。
引用元:Union Worker Salary
https://www.ziprecruiter.com/Salaries/Union-Worker-Salary
アメリカの組合員の仕事って、素晴らしいし、ユニオン(組合)も凄すぎる!
GAFAだけではない?
・・・ということで、本日は、アメリカ現地でちょっと驚いてしまった、組合活動が活発な職場での好待遇な仕事、ユニオンワークについてご紹介してみました。
アメリカも実は、労働者を守る組織というものがあって、社会の根幹はそれに支えられていて、そういう職場も魅力的なんですよね。
堅強なスキル、能力や人を支えることができる“人となり”を持っていれば、グーグル、アップルのGAFAだけでないよ、というか・・・(笑)。
ご参考いただければ嬉しいです。
Momokaよりお知らせ:好待遇のユニオンワークもこれで夢ではない?