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アメリカに渡って日本人が悩まされるのが、アメリカ人のサービス。日本のように、サービス担当の人の教育は行き届いていないし、担当の人それぞれが言っている事が異なっていたりするので、悩ましい・・・。
私も類いに漏れず度々、このカルチャーショックに遭遇しました。今でも思い出すと結構疲れた気分が蘇ってくるのが、この辺りのこと。
なので、本日は、アメリカ移住の際の戸惑いを解消するお手伝いができればと思っております。
さて、まずはどういった状況が起こりやすいのか、私の実際のエピソードからご紹介します。
こんな事日本ではありえない?
私はその頃、学費を少しでも安く削りたいという希望がありました。4年程の会社生活で貯蓄した資金には、そう余裕はありませんでした。なので、大学の次の学期に向けて、学費が安い、他校のコミュニティカレッジ(公立の短大)のクラスを受ける許可を、自分が通っている大学から貰うという事務手続きが必要でした。
ある日、全ての手続き用の書類を揃えて、大学の学生課(課の名前は忘れてしまったので、ここでは学生課とします)に行き、担当部署に持っていきました。その担当部署の1人の人が書類を受け取ってくれ、無事提出が終わったなと、その日はほっとして帰りました。
その後、約2~3週間が何もなく経過。
普通だと1~2週間位で許可が降りるはずなのですが、大学から連絡がない・・・。
やっと慌てだした私は、再度担当の課に行き、いつ許可の書類を返却してくれるのか聞くことに。すると、日本ではめったにないリアクションが返ってきてしまいました。
なんと、学生課の担当からは、「探しましたが、あなたの書類はありませんでした。」という返事が・・・。
はあー? 遅れているのかと思っていたところが、まさかの“紛失”なんて・・・!
私は、アメリカ人はいい加減だな~という気持ちは拭いきれず、「○月○日に渡しましたよ。」と、担当者にちょっと怒ってしまったんですが、その女性からは、「○○(私の名前)、無いものは無いのですから、もう1度提出するしかないです。」と落ち着いた態度で諌められる始末・・・。
再度探してくださいと言っても、恐らく、既に探しましたと言われるだろうし、失くしたのが彼女かどうかも分からないし、諦めてその日は退散。
ですが、私、実はこういう事もあるだろうと、全ての書類はコピーしておいたんですよね・・・。(不幸中の幸い)。
再度書類を作り直し、同じ部署に再提出する際に、「一度失くされたから、今度は注意してくださいね!」と一言添えて渡し、メガネの男性をちょっと脅してみましたが、今度は無事、許可の書類が送られて来ました。
どうしたらこういうトラブルは防げる?
さて、ではアメリカでは、どうしたらこういうイヤな経験はしないで済むでしょうか?
私が冒頭で述べた通り、やはり書類のコピー一式を取るのは忘れないことは最低限として、書類を受け取った相手の所属の課と名前は必ず聞いておくことが必要ですね。
実はアメリカでは、日本ほどオフィス全体の体制が整っていなかったり、必要情報も、社員、職員に充分浸透していないことが多いのです。そのため、何重にも予防策を張っていても、充分すぎることはありません。
また、担当者に名前を聞くときも、「笑顔」でフレンドリーに、
“And, may I have your name, please?(それで、お名前をお聞きしていいですか?)”
と聞くと、警戒されずに教えて貰えると思います。。
アメリカのShop Around(ショップアラウンド:探す、物色する)という考え方
このようにアメリカでは、1人の担当者に尋ねたとしても、良く情報を知らない人に当ってしまったりする事も良くあります。アメリカ人の多様性を反映しているのか、職場でのノウハウや情報も均一でないことが多いのです。
1人の人に尋ねて、納得のいかない事があったらそれで諦めず、その人の上司に聞いたり、他の担当者に聞いたりした方が良いです。
それでアメリカでは、欲しい情報のためには、良く知っている人に当たるまで、“Shop around(探す)”しなければならないということ事を良く言われます。
まあ、私見ですが、アメリカでは転職する人が多いのも、これと関係しているかもしれませんね(情報が浸透する前に辞めてしまうというか・・・。)
ある職場での奮闘でストレスいっぱい
ちなみに、私は、アメリカで簡単な経理の仕事も経験した事があります。
小さな会社だったのですが、そのアルバイトを始めた直後になかなか数字が合わないので、おかしいなということで、職場のお金周りのフローを暫く観察。また、伝票を一枚、一枚チェック。
それで、やっと分かったことなのですが、そもそもその会社で行っていたフロント担当の社員の小切手の処理と、パートで来てくれていた社長さんのご家族の伝票処理がそれぞれ誤っていたということが判明!
アメリカに来て暫くして始めたアルバイトの仕事なので、その時は本当に気力と労力を使いましたね(社長さんからは、「伝票を引っ張り出して何をしているの?」と言われましたし・・・)(泣)。
前任者が問題を解決しないままで辞めたのか、その前任者が辞めてしまったからオフィスの体制が崩れたのか、いづれにせよ、その職場ではきちんとした体制が無いまま、仕事を進めていたことに非常に驚いてしまいました。
アメリカ人は標準化されない?
また、私はアメリカ移住前に、日本でグローバルな電機関係の会社で働いていたのですが、そこでの経験も面白かったのでご紹介しておきます。この経験で、アメリカ人の国民性というのを思い知らされたんです。
ある年、アメリカの社員のトレーニングで、アメリカ出張に同行したときの事。日本サイドの技術者が、「日本でこういう風に標準化していますので、アメリカの方でもこういう風にしてくださいね。」と、アメリカのマネージャーに指摘をすると、
彼はジョークで(笑いながら)、“We’ll be all standardized(私達皆、標準化されるよ!)”
と、返されてしまいました。
笑えるジョークだったといえども、やっぱり、“THE アメリカ人”だなと感じましたね。
(但し、日本人エンジニアによるその指摘点は、後日、アメリカ人マネージャーによって、きちんと修正されていました。)
議題もそっちのけのアメリカ人?
また、同じ会社でこのような経験もありました。
その会社では、年に何回かアメリカから社員が出張してきていて、お互い技術的情報の交換などをしていました。
その際、日本人は真面目に、議題を1から10まで前もって決める事を良しとして、ミーティングをそのとおりに進めるのが好きなのですが、アメリカの社員サイドは、「せっかく顔を合わせて話し合いをするのに、こんなに決まりきった話をするのはどうでしょう?」と、かなり不評・・・。
結果、アメリカ人社員がこちらに来た際は、その議題は細かく気にせず、ある程度オープンに意見の交換をすることとなってしまいました。
日本人サイドは、「あの議題の準備にかけた労力は何だったの~?」といった感じが否めませんでしたね。
ギチギチに準備して進めたい生真面目な日本人とオープンに議論したいアメリカ人。違いはハッキリしていましたね。
クレジットカードの請求の罠?
そんなこんなで、いくつかの似たようなできごとに遭遇した後、私はアメリカ人に対しては、事務手続きやお金に関わる事に関しては、注意をしたいと思うようになりました。特に使っていたクレジットカードの請求書などには神経を使うように・・・。
ちなみに、私の親しい友人は、自分でビジネスをしていたのですが、支払いに使っていたクレジットカードの請求の項目の中に間違っているものが混じっていると言って、クレジットカード会社にクレームの電話をするのが習慣のようでした。
幸い、私はあまりクレジットカードを使うことは多くなかったので、そういう訂正はしなくて済んだのですが、やはりアメリカでは、毎月のクレジットカードの請求には間違いがないか、必ずチェックした方が良いようです。
請求されるべきでない項目があれば、カード会社にすぐ電話をし、「これについては、支払いを止めてください。」と言えば、ちゃんとクレジットカード会社の方で、支払い先への(その分の)支払いを止めてくれます。
そこは、アメリカはカード社会なので、しっかりしているようですので、一安心ですね。
日本人もいつの間にか慣れるもの
というわけで、こういうアメリカ人の傾向を予め知っておくと、余分なストレスを抱えることなく、現地でのカルチャーショックも少なく暮らしていけると思います。
ただ、環境とは怖いもので、日本人も向こうに行って適応してくると、アメリカ人に対してもあまりイライラもしなくなり、大らかに構えられるようになるようです。
まあ、実際、そう成らなければ、生きて行けないからかもしれませんが、ね(笑)。
では、良いアメリカ生活をお過ごしくださいね。
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